耳鳴りと補聴器による音響療法
周りで何も音が鳴っていないのに様々な音が聞こえる症状を「耳鳴り」と言います。
耳鳴りの有病率は人口の15~20%といわれています。中でも人口の2~3%、日本全体では約300万人の方が苦痛の強い耳鳴りのため耳鼻咽喉科を受診しています。
非常に多くの方が耳鳴りで悩んでいらっしゃいます。
耳鳴りの治療法は薬物療法・音響療法・心理療法など様々ありますが、そもそも原因が多様なため症例にあった治療法を選択することが非常に難しく、標準化されていないのが現状のようです。
今回は、現在行われている耳鳴り治療法の中で、補聴器による音響療法についてご説明したいと思います。
①サウンドジェネレーター(耳鳴り治療器)による音響療法
ノイズを聞かせ耳鳴り音を軽減することにより、耳鳴りに対する順応を促進する。
②補聴器による音響療法
補聴器を通して背景雑音を聞くことにより、耳鳴りに対する順応を促進する。
③サウンドジェネレーター付き補聴器による音響療法
①、②を同時に行う。
シグニア 耳鳴り治療器付き補聴器ITCI3
耳鳴りに対してはこうした治療法が選択される場合があります。実際に耳鳴りが緩和されたという報告もされているようです。
尚、これらは医療行為に当たるため補聴器販売店で独自に行うことが出来ません。耳鳴り緩和のために補聴器を使いたいという方は、必ず初めに耳鼻咽喉科を受診し医師にご相談ください。
日本聴覚医学会「耳鳴診療ガイドライン2019年版」参照