聴覚障害における情報保障について

「情報保障」という言葉を耳にしたことはありますか?
「情報保障」とは、障害のある人が情報を入手するにあたり必要なサポートを行うことで、情報を提供することを表します。
視覚障害や聴覚障害など、障害の種類や程度、発生時期、活用できる感覚などで方法も変わってきますが、今回は聴覚障害における情報保障についてご紹介したいと思います。



・手話通訳
 手話を母語とするろう者や手話を中心的なコミュニケーション手段とする中途失聴者・難聴者と、手話を知らない人々との間に立って、コミュニケーションの仲介を行います。
 テレビ等でも目にすることが多く、「情報保障」という言葉を知らなくとも、手話通訳のことを認知されている方は多いのではないかと思います。

 



・要約筆記
聴覚障害のある人に、話の内容をその場で文字にして伝える筆記通訳のことです。
「話すスピード」は「書くスピード」より数倍速く、全てを文字化できないため、言葉を置き換えたり、話の内容をわかりやすく要約して筆記することから要約筆記と呼ばれています。
 ペンでノート等に書いていく「手書き要約筆記」と、パソコンで入力していく「パソコン要約筆記」の大きく分けて2種類の方法があり、場面や利用者の状況によって対応も変わっていきます。

(左のパソコンで要約筆記者が入力した文字が、正面のスクリーンに投影されます)

 



・筆談
口で話す代わりに、紙などに文字や文章を書いて意思を伝え合う方法です。
先の要約筆記と同じく、伝えたいこと全てを文字にするのではなく、できるだけ「短文で」「簡潔に」「具体的に」書き、身振り手振りを加え、相手の反応を見ながら筆談を進めることも必要とされます。

 

近年ではここで紹介した情報保障以外にも、スマートフォンでダウンロード可能な文字起こしアプリの活用など、より身近なツールも増えてきています。
情報保障を必要とされる方、必要な場面は多いのですが、まだまだ馴染みがないのが現状ではないでしょうか。
こんな方法があるんだということを、少しでも皆さんに知っていただくきっかけになればと思っています。

2024年12月
1234567
891011121314
15161718192021
22232425262728
293031  
月別